【注文住宅】千葉県松戸市の二世帯住宅 重層長屋の家

photo by Ryoji Kudaka

千葉県松戸市の閑静な住宅街に位置する重層長屋の家(二世帯住宅)である。住宅は多くの人々にとって人生最大の買い物であると言われる。住宅を購入するということは、お金や土地に拘束されるという側面を持ち合わせ、人生の転機にはある種の不自由さを感じることもあるだろう。また、最初に購入した住宅には一生住み続けるという考えが今日まで「あたりまえ」と化してきた。この住宅の施主はそんな「あたりまえ」を嫌う。「何からも縛られることなく生きたい」と。

この住宅では二世帯住宅の根本的な「二世帯で共に住まう」ということをいさぎよく放棄した。親世帯は1階、子世帯は2階と、それぞれ独立した住居とし電気も水道も完全に分離している。動線も視線も交錯することは無い。傍から見れば仲の悪い親子だと思うかもしれないが実際はそうではない。これは将来的に住宅を賃貸として運用できるように意図したものである。住宅として、そして賃貸としても機能するように設計を行った。住宅×賃貸がうまく機能すれば、将来同居世帯数が減った場合や子供が独立した場合、転職の場合などでも住宅に縛られることなく、人生の転機に対応することが可能である。また多世帯住宅によく見られる空き部屋問題を解消することも可能である。残ったローンは家賃で完済可能という仕組みである。これからの住まい手の人生設計について対話を重ねることからうまれた新たな都市型二世帯住宅のかたちである。

 

【注文住宅】千葉県松戸市 二世帯住宅 重層長屋の家
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